パワーエレクトロニクスの基本(1)DC-DCコンバータ

パワーエレクトロニクスの基本として、DC-DCコンバータを紹介します。

DC-DCコンバータの種類としては、主に5種類の回路があります。そして、2種類の応用回路があります。

5種類の回路の内2種類は、非絶縁型で 1. 降圧コンバータ

2. 昇圧コンバータ となります。

残りの3種類は、絶縁型で  3. 一石コンバータ 4. 二石コンバータ 5. 四石コンバータ となります。

応用回路とは、6. 共振型コンバータ  7. 同期型コンバータ を指します。

***** 1.降圧コンバータ *****

左図の回路を参照して下さい。MOSFETにオン信号を与えると、インダクタンス(L1)を通して平滑コンデンサ(C1)を充電する電流が流れます。

 

 

 

MOSFETをオフにすると、インダクタンス(L1)を通電していた電流は、フリーフォイルダイオード(VF)を通電するようになります。

 

 

そして、再度MOSFETにオン信号を供給すると、まずは、フリーフォイルダイオード(VF)の電流をゼロにするように通電し、MOSFETの電流とフリーフォイルダイオード(VF)に流れていた電流が等しくなると、MOSFETの電流は、インダクタンスL1を経由して平滑コンデンサ(C1)を充電するようになります。

左図は、入力電圧Vin=10V, MOSFETのオン抵抗Rds=0.1Ω、ダイオードのVF=0.7V,インダクタンスL1=1mH, 平滑コンデンサC1=470uF, 負荷抵抗RL=2Ω,MOSFETのON時間=10us, MOSFETのOFF時間=10us とした場合の各部の電圧電流波形です。

入力電圧(Vin)は一定ですが、MOSFETにはオン抵抗があるので、通電すると、V2地点の電圧は低下してきます。

MOSFETがオフの場合、フリーフォイルダイオードに電流が流れますので、V2地点の電圧は-0.7Vとなります。コンデンサ(C1)の充電電流は徐々に大きくなっています。

定常状態では、MOSFETを通電する電流は負荷電流とほぼ等しくなる為、V2地点の電圧は通電時においてもあまり降下しません。出力電圧は、MOSFETのオン時間をディユーティ(D)で示すと、Vout=Vin*D, Iout=Iin (但しIinはスイッチングする入力電流) となります。

 

***** 2.昇圧コンバータ *****

左図を参照して下さい。MOSFETにオン信号を与えると、インダクタンス(L1)を通して電流が流れます。

 

 

MOSFETにオフ信号を与えると、インダクタンス(L1)を通電していた電流は、継続して流れようとするので、ダイオード(VF)を通過して平滑コンデンサ(C1)を充電します。

 

 

そして、再度MOSFETにオン信号を供給すると、まずは、ダイオード(VF)の電流をゼロにするように通電し、ダイオード(VF)が逆バイアスされて、MOSFETのドレインの電圧が入力電圧(Vin)よりも低くなると、インダクタンス(L1)の電流は、MOSFETを通電するようになります。

 

左図は、入力電圧Vin=25V, MOSFETのオン抵抗Rds=0.1Ω、ダイオードVF=0.7V,インダクタンスL1=0.2mH, 平滑コンデンサの容量C1=100uF, 負荷抵抗RL=10Ω,MOSFETのON時間=20us, MOSFETのOFF時間=12us とした場合の各部の電圧電流波形です。

入力電圧(Vin)は一定ですが、MOSFETのドレイン電圧は、オン信号が与えられていない時、出力電圧+0.7V(ダイオードのVF分)となり、オン信号が与えられている時は、IL1*Rdsとなります。平滑コンデンサ(C1)の充電電流は徐々に大きくなっています。

定常状態では、MOSFETを通電する電流は負荷電流相当分(平滑コンデンサC1の充電電流を除く)とほぼ等しくなる為、通電時のドレイン電圧はあまり高くなりません。出力電圧は、MOSFETのオン時間をディユーティ(D)で示すと、Vout=Vin/(1-D), Iout=Iin (但しIoutはピーク値で平均値は、Iin*(1-D)) となります。

 

***** 3.一石コンバータ *****

左図を参照して下さい。MOSFETにオン信号を与えると、共振用コンデンサ(C1)には、充電電流が流れ、トランスの一次側には、励磁電流が流れます。(波形の0~10usの部分)

MOSFETにオフ信号を与えると、MOSFETに通電していた電流は、共振用コンデンサを通電します。(波形の10~20usの部分)

共振コンデンサの電圧が反転すると、出力に正の電圧を発生します。(波形の17us近辺)

この電圧が平滑コンデンサの値よりも高くなると、充電を開始します。この時の充電電流は、トランスの二次側の短絡インピーダンスと平滑コンデンサで共振します。(約20us~50us)電流がゼロになると、二次側の共振は停止します。

一次側は継続して共振しています。

トランスの励磁電流が共振コンデンサを充電し、充電電圧が電源電圧を超えると、MOSFETのボディダイオードを経由して電源にエネルギーを回生します。

(MOSFETのターンオフ電流が少ないと共振用コンデンサC1の電圧が電源電圧を超えず、トランスの電流がMOSFETのボディダイオードを通電しない場合もあります。)

ボディダイオード通電中にオン信号を供給すると、共振用コンデンサ(C1)は既に充電されているので、トランスの励磁電流のみとなり、共振コンデンサをMOSFETで充電する事はなくなります。また、二次側の共振は充電が進むと、遅く始まって、早く終わるようになるので、トランスのエネルギーが回生されるのも確実となります。

 

起動時の波形

MOSFET               共振回路

二次回路

起動時に共振コンデンサを充電する電流が通電し、MOSFETのボディダイオードを通電する回生電流も少ない。

 

 

 

定常状態の波形

MOSFET                   共振回路

 

二次回路

共振用コンデンサを充電する電流がなく、ボディダイオードを通電する電流も大きい。また二次側の電流の通電幅が狭い。

ここで、計算は入力電圧Vin=150V, 共振用コンデンサC1=1uF, MOSFETのオン抵抗Rds=0.1Ω、一次励磁インダクタンス=80uH,二次短絡インダクタンス=2uH, トランス巻き数比=10:1, ダイオードのVF=0.7V, 平滑コンデンサの容量Cout=100uF, 負荷抵抗RL=2Ω、MOSFETのオン時間10usで行っています。

***** 4.二石コンバータ *****

プッシュプル回路とも呼ばれています。

左図を参照して下さい。MOSFET(Q1)にオン信号を与えると、トランスの一次側には、赤矢印の方向に電流が流れ、トランスの左側が正となるような電圧を発生します。トランスの二次側は、電圧がVout+VFよりも高くなった瞬間から充電を開始します。MOSFETのドレイン電流としては、この二次側電流を一次側に換算したものと、励磁電流が通電します。

 

 

起動時の充電電流は大きいので、通電によるMOSFETのVdsも大きくなります。(0usから30usの部分)

MOSFET(Q1)にオフ信号を与えると、トランスの一次側の励磁電流はMOSFET(Q1)を通電できないので、磁気結合により、トランスの左側に移行します。この電流は電源(Vin)とMOSFET(Q2)を通電します。従って、トランスの右側に+の電圧を発生する事になります。D1を通じて平滑コンデンサ(Cout)を充電していた電流は、

二次側の発生電圧+Vout+Vfの逆バイアスを受けながら、電流を減少しつつ充電します。一方二次側の左側は、右側に+の電圧を発生しますので、D2には、

二次側の発生電圧-Vout-Vfの順電圧により電流が流れ、増加します。一次側には、二次側の(D2を通電する電流-D1を通電する電流)の一次換算値がQ2を流れます。D1の電流が負になろうとすると、電流はD1でブロックされてしまうので、D2の電流のみとなります。そして、ボディダイオードの電流がゼロになるまで、この状態は続きます。

 

 

波形の38usから39.5usが②aモード

39.5usから40usが②bモード

 

 

 

Q2のボディダイオードがゼロになると、Q1にもQ2にもオン信号が与えられていないので、一次側の励磁電流は流れません。即ち二次側の発生電圧もゼロになってしまいます。

ダイオード(D2)の電流は、Vout+Vfの逆バイアスで減少します。

 

 

MOSFET(Q2)にオン信号が与えられると、トランスには右に+の電圧が発生するので、ダイオード(D2)には、二次電圧-Vout-Vfを二次側の短絡インピーダンスで除算された勾配で増加する電流がながれ、平滑コンデンサを充電します。

但し、②bのモードで、ダイオード(D2)の電流がゼロになる前に、③モードに移行した場合は、ダイオード(D2)の電流は途切れる異なく、増加に向かいます。また②aのモードで、MOSFET(Q2)のボディダイオード通電中にMOSFET(Q2)にオン信号が与えられた場合は、ボディダイオード通電中は②aモードとして動作し、電流が反転してMOSFETを通電するようになると、③モードとして動作します。

MOSFET(Q2)にオフ信号を与えると、トランスの一次側の励磁電流はMOSFET(Q2)を通電できないので、磁気結合により、トランスの右側に移行します。この電流は電源(Vin)とMOSFET(Q1)を通電します。従って、トランスの左側に+の電圧を発生する事になります。D2を通じて平滑コンデンサ(Cout)を充電していた電流は、

二次側の発生電圧+Vout+Vfの逆バイアスを受けながら、電流を減少しつつ充電します。一方二次側の右側は、左側に+の電圧を発生しますので、D1には、

二次側の発生電圧-Vout-Vfの順電圧により電流が流れ、増加します。一次側には、二次側の(D1を通電する電流-D2を通電する電流)の一次換算値がQ21流れます。D2の電流が負になろうとすると、電流はD2でブロックされてしまうので、D1の電流のみとなります。そして、ボディダイオードの電流がゼロになるまで、この状態は続きます。

Q1のボディダイオードがゼロになると、Q2にもQ1にもオン信号が与えられていないので、一次側の励磁電流は流れません。即ち二次側の発生電圧もゼロになってしまいます。

ダイオード(D1)の電流は、Vout+Vfの逆バイアスで減少します。

 

 

 

MOSFET(Q1)にオン信号が与えられると、トランスには左に+の電圧が発生するので、ダイオード(D1)には、

二次電圧-Vout-Vfを二次側の短絡インピーダンスで除算された勾配で増加する電流がながれ、平滑コンデンサを充電します。但し、④bのモードで、ダイオード(D1)の電流がゼロになる前に、①モードに移行した場合は、ダイオード(D1)の電流は途切れる異なく、増加に向かいます。また④aのモードで、MOSFET(Q1)のボディダイオード通電中にMOSFET(Q1)にオン信号が与えられた場合は、ボディダイオード通電中は④aモードとして動作し、電流が反転してMOSFETを通電するようになると、①モードとして動作します。

起動時の波形

 

 

充電電流が大きい

 

 

定常時の波形

 

Q1,Q2の電流がバランスしている。

 

 

 

ここで、入力電圧Vin=24V, MOSFETのオン抵抗Rds=0.5Ω、一次励磁インダクタンス=1mH, 二次短絡インダクタンス=0.1uH, トランス比率=5:1, ダイオードのVf=0.7V, 平滑コンデンサの容量Cout=500uF, 負荷抵抗RL=0.5Ω、MOSFETのオン時間38us, MOSFETのオフ時間2usとして計算しました。

***** 5.四石コンバータ *****

Hブリッジ回路とも呼ばれています。MOSFET(Q1)とMOSFET(Q4), MOSFET(Q2)とMOSFET(Q3)に同時にオン信号を供給し、矩形波の交流電圧を発生させてから、整流回路により直流電圧を得る回路です。

 

Q1とQ4にオン信号を与えると、トランスの励磁電流は上から下へ流れ、正の出力電圧を発生します。この電圧が出力電圧+Vf*2より大きい時平滑コンデンサに充電しながら、負荷に電流を供給します。

 

 

(上図の0usから9.5usの時が①モード)

Q1, Q4にオフ信号を供給すると、励磁電流は、同じ方向へ流れ続けるので、MOSFET(Q2)とMOSFET(Q3)のボディダイオードを通電します。

 

 

(上図の9.5usから10usの間が②aモード)

Q2, Q3にオン信号を与えても、二次電流は流れますが、負の電圧が発生していますので、充電電流は減少します。

 

 

二次電流が減少し、反転すると、MOSFET(Q2,Q3)を通電するようになります。

 

 

 

(9.5usから10usはQ1,Q4のオフ信号、10usから19.5usがQ2,Q3のオン信号、17.3us辺りから19.5usまでがQ2,Q3を通電している。)

MOSFET(Q2,Q3)にオフ信号を供給すると、Q2, Q3に流れていた電流はQ1,Q4のボディダイオードを通電し、出力に正の電圧を供給する。しかし、電流は流れ続け、二次電圧-Vout-2*Vfで逆バイアスされるので、絶対値は減少する。(数値的には増加する。)

 

(19.5usから20usが④aモードに相当します。)

次にQ1,Q2にオン信号を与えると、電流が正になった時にボディダイオードからMOSFETに移行し、同様に繰り返される。定常状態では、平滑用コンデンサに既に充電されているので、充電電流は少なくなる。

起動時の波形

 

 

電源投入時の電流が大きい

 

 

定常時の波形

 

起動時は1000Aを超える電流が流れるが、定常時は100A程度になっている。

起動時はQ1,Q2で電流に大きなアンバランスがあるが、定常状態ではほぼ同じとなる。

定常時の充電電流はゆっくりと立ち上がるがオフ信号の時の電流の減少速度は速い。

なお、上記は入力電圧Vin=14V, MOSFETのオン抵抗Rds=1mΩ、一次側励磁インダクタンス=1mH, 二次側短絡インダクタンス=5uH, 巻き数比=0.2: 1, ダイオードのVF=0.7V, 平滑コンデンサ=200uF, 負荷抵抗=10Ω、MOSFETのオン時間=9.5us, MOSFETのオフ時間=0.5usで計算しました。

***** 6.共振型コンバータ *****

Hブリッジ回路では、インダクタンスを小型化にする為に、キャリア周波数を増加する事が有効ですが、大電流をターンオフしていると、スイッチング損失がキャリア周波数に応じて増加し、インダクタンスが小さくなっても放熱フィンが増大するという現象が発生してしまいます。

共振型コンバータはこのスイッチング損失を低減するための提案です。

なお、ここでは、Hブリッジ回路で説明しますが、電源を二分割し、スイッチング素子を2個としたハーフブリッジ回路でも動作原理は同じです。

 

Q1とQ4にオン信号を与え、二次側の共振用コンデンサ(C1)を充電します。

 

 

C1の充電電圧が平滑コンデンサの電圧+ダイオード2個分(D1とD4)のVfを超えると。トランスの二次電流は平滑コンデンサを充電します。

 

左図はその時のMOSFETの波形です。

(①モードは瞬間に終了します。)

(②モードが約0usから70usです)

 

 

トランスの二次側の短絡インピーダンスと平滑コンデンサの共振が終了して電流がゼロになったら、Q2とQ3にオン信号を与え、コンデンサC1の電圧を反転させます。

 

(③モードは約75usから85usです)

(④モードが約85usから100usです)

 

 

コンデンサC1の反転電圧の絶対値が平滑コンデンサ+ダイオード2個分(D2とD3)のVfをこえると、トランスの二次電流は平滑コンデンサを充電します。

 

トランスの二次側の短絡インピーダンスと平滑コンデンサの共振が終了して電流がゼロになったら、Q1とQ4にオン信号を与え、コンデンサC1の電圧を反転させます。定常的には平滑コンデンサの電圧は十分高くなっていますので、Q1の充電時間とQ2の充電時間はバランスがよくなります。 

必要なのは、起動パルス以外は、充電電流の周波数に同期した、ゲート信号を供給する事です。

ここで、上記は入力電圧Vin=24V, MOSFETのオン抵抗Rds=0.001Ω、一次励磁インダクタンス=1mH, 二次短絡インダクタンス=5uH, トランス巻数比=0.7:1, ダイオードのVf=0.7V, 平滑コンデンサ=100uF, 負荷抵抗=4Ω、共振コンデンサ=5uF で計算しました。

***** 7.同期型コンバータ *****

DC-DCコンバータにおいて、出力電圧が高い場合は、ダイオードによる電圧降下(約0.7V)は誤差範囲ですが、出力電圧が低い場合は、電流が大きく重大な損失となります。同期型コンバータでは、MOSFETのオン抵抗を利用して平滑コンデンサに充電し、損失の低減と電圧誤差の低減を図ります。

同期型コンバータでは、トランスの二次側にMOSFETを駆動する為の巻線を準備します。MOSFET(Q1)をオンにした時、ドット(●)のある方向に高い電圧が発生します。

従って、Q3にオン信号が供給されます。左側の二次巻線のから発生した電圧は、Q3のチャネルを通過して平滑コンデンサを充電する事になります。

MOSFET(Q2)にオン信号を供給する時も同様です。但し左右が入れ替わります。出力用の平滑コンデンサは、二次電圧-ダイオオードのVf分ではなく、二次電圧そのものでMOSFETのオン抵抗を経由して充電される事になります。 また初期充電の大電流は、MOSFETのチャネルでは無く、ボディダイオードが並行して動作し、発生する損失を低減してくれます。

 

Q1にオン信号を与えます。トランスの一次側に図示のように電圧が印加されます。

二次側も図示のような電圧が発生し、MOSFET(Q3)にオン信号が印加されるので、平滑コンデンサには、Q3のチャネルを経由して二次電圧まで充電されます。この時、充電電流が大きくてVsdがボディダイオードのVfを超えようとすると、ボディダイオードも並列動作し、VsdをVfでクランプします。

左図の0usから38usを参照。

突入電流が大きいと、MOSFET(Q1)の通電中のVds(ON)もおおきくなります。

 

 

Q1にオフ信号を与えると、一次側の励磁電流は左側に移行し、電源とQ2のボディダイオードを通電するようになります。

Q3を通電していた電流は、チャネルではなく、ボディダイオードを経由して減少しながら充電します。

この時、Q4のゲートには正の電圧が発生するので、二次側の右半分は、Q4のチャネルを経由して平滑コンデンサを充電します。

 

約38usからQ1のオフ信号が投入

Q2の約38usから38.6usはボディダイオードに電流が通電。

Q2の約38usから約38.2usは二次側Q3の電流が減少。

Q2の約38usから約38.6usは二次側のQ4にゲート信号が供給されて、平滑コンデンサを充電

Q2の電流が負から正になろうとすると、Q2にはゲート信号が供給されていないので、通電できません。

Q4を流れていた電流もゲート信号が無くなるので、チャネルではなく、ボディダイオードを通電するようになります。

 

 

約38usから38.6usがチャネルを通電する電流で、38.6から38.7usがボディダイオードを通電する電流

 

 

 

Q3, Q4の通電が停止してから、Q2にオン信号を供給すると、一次側には励磁電流がながれ、Q4のゲートにオン信号が供給され出力の平滑コンデンサには、MOSFET(Q4)のチャネルを通して充電される事になります。

 

 

 

上図の40usから78usが③dに相当

Q2のオン信号が無くなると、Q2はオフ状態となり、一次側の励磁電流は右に移行して、電源とQ1のボディダイオードを通電するようになります。

Q4のオン信号が無くなり、Q3のオン信号が発生するので、Q4の電流はボディダイオードを通電して減少するようになり、Q3の電流はチャネルを通電して増加するようになります。何れも出力用の平滑コンデンサを充電します。

 

 

Q1のボディダイオードの電流がゼロになると、Q1にはオン信号が与えられていないので通電できません。トランスの一次側の励磁電流もゼロとなります。

Q4のボディダイオードを通電していた電流も減少してゼロとなり、Q3のチャネルを通電していた電流もボディダイオードに移行して減少します。

 

 

起動時の波形              起動時の部分拡大波形

 

 

 

定常時の波形                定常時の部分拡大波形

 

 

 

起動時の突入電流は大きい。その影響でMOSFET(Q1)のVds(ON)もおおきくなる。

オン信号が与えられず、電流も通電していない時は、Vdsは電源電圧と等しくなる。

Q2のボディダイオードに電流が流れる時、Q2にオン信号が与えられる時、Q1のVdsは略電源の二倍となる。

Q1に大電流が通電してVds(ON)が大きくなった時、Q2のVdsはその分低下する。

Q1のターンオフ電流がQ2のボディダイオードを通電する電流となる。

Q2のボディダイオードを通電する電流は、Q3の電流の減少と共に絶対値が減少し、Q4の電流の増加と共に増加する。(絶対値は減少する。)

ボディダイオードの通電が無くなると、Vdsは電源電圧まで上昇する。

今回の回路定数では、初めの単一パルスで、定格に近い電圧まで、充電している。

ここで、上記は電源電圧Vin=24V, 一次側MOSFETの Rds=0.5Ω、一次側励磁インダクタンス=1mH, 二次側短絡インピーダンス=0.1uH, トランス巻数比=5:1, ダイオードVf=0.7V, 平滑コンデンサ=500uF, 負荷抵抗=0.5Ω, 二次側MOSFETの Rds=0.01Ω、一次側MOSFETのオン時間38us, 一次側MOSFETのオフ時間=2usで計算しました。

一休み (フィードバック)

DC-DCコンバータの出力電圧は、負荷の変動により変動するので、出力電圧、出力電流を測定し、それをフィードバックして、ゲート信号のパルス幅を制御又は、ON/OFF制御(運転/停止制御)をして、出力電圧を一定に保つ必要があります。

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