22KVA 安全装置 試作例紹介

パワー用半導体の実験室の実験装置、製造現場での製造装置、試験装置には、安全装置が必要です。

22KVAの安全装置を試作しましたので、紹介します。

左記は、試作した安全装置の仕様です。

入力は100Vから208Vacとしました。個人でも工場でも使用できます。

電圧の相数は三相又は単相としました。これもまた、個人でも工場でも使用できるレベルです。

但し単相の場合は、U,W間に接続して下さい。内部のDC24Vの電源をUW間の電圧から作成していますので、単相の電圧をUV又はVWに接続しても動作しません。

フィードバックはDCコンデンサの放電を考えて、DC0Vから1000Vまでとしています。440Vacラインにも適用できます。

パワーデバイスであれば、1700VのIGBTモジュールまで対応可能です。

但し電源が208Vacですので整流しても1000Vを超える事はありません。

整流用のコンデンサに電荷を蓄積しない場合は、フィードバック端子を短絡して0Vにしておきます。

安全装置の出力の電源電圧は入力電源と同じです。内部は電磁接触器で接続しています。

安全表示灯として、HNTD LED表示灯を使用しました。

安全の為のドアのロック装置としては、OMRONのD4SL-Nを使用しています。

DCコンデンサに電荷が残っている時に、ドアを開けて接触すると感電の可能性があります。

ドアのロックは、ON信号が出ている時とフィードバック電圧が50V以上の時です。

コンデンサの電荷を放電するためのリレーを駆動するための信号を準備しました。

DCコンデンサを使用していなければ、必要ありません。

左図は安全装置の回路の概要です。

ピンク地の部分はパワーデバイスの試験回路の一例です。内蔵はしていません。

安全装置の負荷として、交流電圧を整流して試験に使用すると仮定しています。

安全装置の役目は、このコンデンサの電圧が十分低くなるまで、実験ボックス又は実験室のドアを開けない事です。

供試素子が爆発した時の対策は電気回路ではなく、実験ボックスの機械的な強度で対応します。

動作説明をします。

まず三相の交流電圧が入力端子に接続されます。メインのスイッチと電磁接触器を介して出力端子に接続されています。安全装置の第一の目的は、危険と感じた時に出力電圧をすぐにオフにする事です。負荷の入力電流が無くなりますので、負荷である試験装置に異常があっても被害を最小限に食い止める事ができます。

次にU相とW相の電圧から24Vの制御用DC電源を作ります。

AC/DC変換器自身は100Vacから240Vacに対応しています。

この電源を基に、緊急停止、ドアロック、スイッチ操作、表示灯用の回路を動作させています。

MULLER XIEGLERというのは、直流電圧(フィードバック電圧)の判定器です。

フィードバック電圧が50Vを超えているかどうかという判定をして、信号を安全ドアや非常灯に返します。

左図は、試作した安全装置の操作パネル面と入出力端子です。

操作パネル面には、1.メインSW、2.緊急停止SW, 3.ON信号SW, 4,OFF信号SW, 5.確認SW, 6.放電SWがあります。

入出力端子には、三相の入力端子、ロック及び表示用の信号端子、フィードバック用の直流電圧端子、三相出力用の端子があります。放電用のリレーを駆動する信号は、この入出力端子ではなく、内部のリレーから直接接続しました。

まず、電源を接続した状態では、パネル面(b)の状態になっています。

1.メインのスイッチの矢印が左を向いているのです。

表示灯の(1)の状態になっています。

1.メインを右に回転すると、パネル面(c), 表示灯(2)の状態になります。

5.確認のスイッチと緑のランプが点灯します。(状態(2))

この状態では、3.ON, 4.OFFのスイッチは動作しません。

5.確認のスイッチを押して、確認のランプを消灯します。パネル面(d)の状態に変わります。

表示灯に変化はありません。この状態では、3.ON, 4.OFFのスイッチが有効になっています。

3.ONのスイッチを押すと、ONのランプが点灯します。(パネル面(e)参照)

4.OFFのスイッチを押すと、ONのランプが消灯します。(パネル面(d)参照)

ONランプが点灯した状態(パネル面(e)参照)でフィードバック電圧が50Vを超えると、

表示灯が(3)の状態になります。この状態でフィードバック電圧がある値(例えば300V)になると負荷側の実験が開始です。

負荷側での実験が終了すると、4.OFFスイッチを押して、パネル面を(d)とします。

そして、6.放電SWを右に回転させます。すると放電が開始したので、表示灯は(4)に変わります。フィードバック電圧が50V(試作器は63Vを超えると緑から赤に変わり、53V以下になると赤から緑に変わりました)以下になると(5)に変わります。

正常であれば、6.放電SWを左に回転させ、表示同は(2)の状態に、パネル面は(d)の状態に戻します。

ドアを開け、試験条件を変更し、ドアを閉め、同じような手順を踏んで、試験を再開します。

ドアは、ONスイッチが投入されて青色に点灯している時又は表示灯の赤色ランプが点灯して、フィードバック電圧が50V以上の時、安全の為にロックされます。

2.緊急停止ボタンを押した場合はパネル面の(f)となります。3,ONや4.OFFは無効になり、出力電圧は電磁接触器でオフになっています。

但しフィードバック電圧が50V以上であれば、ドアはロックされたままです。

この状態で5.確認ボタンを押しても(d)になりません。5.確認ボタンは点灯したままです。

動作させるには、緊急停止を解除する必要があります。

緊急停止を解除するには、緊急停止ボタンを右回転させます。するとボタンが飛び出してパネル面(c)の状態になります。緊急停止が解除されれば正常に動作します。

緊急停止が動作すると、内部の電磁接触器がオフになり出力と接続されなくなりますが、表示灯に影響はありません。

左図は、ドアのロック装置です。

左側のドアと書かれた部分を左側のドアに取り付け、右側のドアと書かれた部分を右のドアに取り付けます。

ドアを閉じた時に、右側の部分が左側の中に入る仕組みです。

ロックされるとは、右の部分が左にはいったままで、引っ張っても抜けない状態を言います。

カタログには、左図のように記載されていましたが、

状態2でもロックされていません。ロックを意味するランプが点灯するとロック状態になり、簡単に引き抜く事はできません。

 

また、、カタログには開閉式のドアに対してオプションを使用するよう

記載されていました。

説明では、ランプが点灯している時、ドアの開閉が出来るような説明になっていましたが、

試作品では、LEDが点灯しているとき、引き抜くことが出来なくなっていました。

(http://www.fa.omron.co.jp/products/family/3125/download/catalog.html参照)

 

負荷側の試験回路の電圧が400VDC以下であれば、放電用のリレーとして左図の製品が使用できそうです。

(詳細は、http://www.fa.omron.co.jp/products/category/relays/general-purpose-relays/for-built-in/dc-power-relay参照)

電流容量は、放電電流を制限する抵抗に依存します。

またその抵抗は平滑コンデンサの容量と放電の時定数に依存します。

抵抗は、左記のものが使用できるかも知れません。

十分余裕を持った抵抗を使用します。

(http://www.tamaohm.co.jp/registor参照)

放電用の抵抗とリレーは安全装置の内部ではなく、負荷の試験回路の中に設置します。

補足:上記のリレーと抵抗の説明は、安全装置にて電源がオフになっている事を前提としています。

安全装置が無く放電抵抗への電流が連続に流れる場合は、それに適した抵抗とリレーを選定する必要があります。

以上

安全装置を作ろうと思っている人、試作器を購入したい人是非連絡下さい。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA